公開講演会「Medieval Warfare and Religion in Comparative Perspective(中世の戦争と宗教を比較する)」
INFORMATION
前近代社会において、信仰と戦争はどのような関係を持っていたのだろうか。歴史家が、あらゆる人間社会でおこりうる戦争という現象を、文化的普遍主義もしくは人類学的普遍主義にもとづき比較した場合、そこには様々な相違や相同がたちあらわれる。例えば、終末論が戦争の性質とそのシナリオにどのように影響をするか、宗教的配慮が戦争捕虜の扱いや敵のイメージにどのように作用するか、宗教的地位の差異がどのようなかたちで戦争へ反映するか、痛みや傷は禁欲主義を経験した文化とそうでなかった文化でどのような違いを生みだすのか、戦闘における、または戦闘の結果としての死の意味はどのように異なるのか、などである。歴史家は、宗教的観点に基づき歴史を比較することにより、戦争時の人間観や人間のあり方を相対化し現代社会にも示唆を与えることが可能となる。
このような中世と現代を往還する内容を、現代を代表する中世史家フィリップ?ビュック教授にご講演いただく。
講師
Professor of University of Vienna
フィリップ?ビュック 氏
1961年生まれ。パリ社会科学高等研究院のジャック?ルゴフのもとで学位論文を仕上げ、その後、スタンフォード大学教授をへて、2011年よりウィーン大学歴史研究所教授。現在を代表するヨーロッパ中世史家。主著にL'ambigu?té du livre. Prince, pouvoir, et peuple dans les commentaires de la Bible au Moyen Age (Théologie historique. Band 95), Paris: Beauchesne, 1994; The Dangers of Ritual between Early Medieval Texts and Social Scientific Theory, Princeton UP, 2001; Holy War, Martyrdom and Terror: Christianity, Violence and the West, Philadelphia: University of Pennsylvania Press, 2015. 編著として、Jews and Christians in Medieval Europe : the historiographical legacy of Bernhard Blumenkranz, edited by Philippe Buc, Martha Keil and John Tolan(Religion and law in medieval Christian and Muslim societies, 7), Turnhout: Brepols, 2016 ほか論文多数。
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- 参加費 無料